第3回教室『学び合い』フォーラム2007公開ゼミ内容

 公開ゼミ1では、授業実践のビデオを見ながら、普段なら気づかない子どもたちの学びの仕組みを解き明かしていきます。また、『学び合い』を実践しようと思ってもなかなかうまくいかない、というような日頃感じる悩みについて、参加者みんなで解決していきます。
 公開ゼミ2では、それぞれのパネリストとともにブースに分かれ、インタラクティブに話し合い、理解を深めます。(時間の都合上、参加できないパネリストもおります。
 公開ゼミ3では、『学び合い』の成果を、実際の授業の分析結果をもとに発表し、質疑を行います。いずれも、学校や授業での子どもたちの行動、学びに関する事例をもとにしたテーマについて、参加者がブースに分かれて分析し、語り合います。
 当日パンフレット等をご覧になり、お望みのブースにお越しください。(ただし、会場の広さの都合上、ブースごとに定員が決まっております。狭い会場の場合、先着順となりますので、ご了承ください。)

公開ゼミ担当者と内容

使用会場 ○:話題提供者 ◆:座長
公開ゼミ1 第1日目 8月10日(金)15:30~16:30
304講座室 ○ 栗田 裕子(新潟市立江南小学校)
 『学び合い』を広げるために必要なこと、感覚を基に話し合いましょう!

◆ 水落あき子(新潟市立紫竹山小学校)
402講座室 ○ 江川  潤(新潟市立五十嵐小学校)
 そのとき教師が空気になる」異学年交流における「学び合い」について
  ~縦割り班での集会活動~


◆ 鈴木華奈子(新潟市立中野小屋中学校)
403講座室

○ 原口 淳一(熊本大学教育学部附属小学校)
  『みんなで伸びる授業』をデザインする~3年「植物をそだてよう」~

◆ 平澤林太郎(上越市立春日小学校)
404講座室 ○ 鈴木美奈子(新潟県立国際情報高等学校)
 生徒の動きと思考を考える~古文の学び合い授業を通じて~

◆ 片桐 史裕(新潟県立県央工業高等学校)
405講座室 ○ 水落 芳明(新潟市立東中野山小学校)
 同期型CSCL“Kneading Board”を使った模擬授業 ― 好きな季節は? -

◆ 久保田善彦(上越教育大学)
公開ゼミ2 第2日目 8月11日(土)11:30~12:20
304講座室 ○ 牧野 高智(新潟県立中央高等学校)

◆ 片桐 史裕(新潟県立県央工業高等学校)
402講座室
○ 中村 文昭(クロフネカンパニー)※予定

◆ 水落 芳明(新潟市立東中野山小学校)
403講座室

○◆ 西川純(上越教育大学)
405講座室 ○ 千木良康志(東京都江東区教育委員会)

◆ 三崎 隆(信州大学)
公開ゼミ3 第2日目 8月11日(土)13:20~16:30
① 13:20-14:20  ② 14:25-15:25  ③ 15:30-16:30 ◆:座長
304講座室

【地域・教師集団作りゼミ】 ◆小林 秀樹(三条市立第一中学校)

① 水越 千博
 中学校理科での社会人講師活用におけるキャリア教育の研究

② 清水 良紀(上越市立春日小学校)
 実験班に対する教師の足場かけに関する研究 -足場かけの内省的機能からの分析-

③ 小林 秀樹(新潟県三条市立第一中学校)
 学び合いを取り入れた清掃指導-10分間の清掃活動が生徒を変え、学校を変えるかも-
402講座室 【学校作りゼミ】 ◆三崎 隆(信州大学)

① 坂野智之(島根県益田市立吉田小学校)
 教員同士の学び合いに関する研究

②③ 群馬県高崎市立八幡小学校(学校発表) 小川博揮校長・加藤良治・田村孝・冨田賢司
 『学び合い』を学校体制で取り組む奮戦記!
403講座室
【学級作りゼミ】 ◆赤坂 真二(新潟市立曽野木小学校)

①② 赤坂 真二(新潟市立曽野木小学校)
 子どものやる気を高める学級づくりプログラム-アドラー心理学に基づくクラス会議実践記-

③ 若山 大輔(上越市立春日小学校)
 道徳授業におけるモラルジレンマ資料とロールプレイの活用が『学び合い』に与える影響
  ~人間関係作りを助ける道徳の時間をめざして~
ゼミナール室 【授業作りゼミ】 ◆片桐 史裕(新潟県立県央工業高等学校)
          ◆水落 芳明(新潟市立東中野山小学校)

① 大平 正芳(埼玉県横瀬町立横瀬小学校)
 複数教科における『学び合い』の授業に関する研究

② 福留 明子(東京都多摩市立大松台小学校 小学校)
 小学校一年生の教科学習における児童の相互作用について
 -『学び合い』における個に応じたかかわりについて-


③ 三膳佑季子(十日町市立松代小学校)
 わたしの授業の『学び合い』を見付けてください(仮題)
405講座室 【授業作りゼミ】  ◆平澤林太郎(上越市立春日小学校)

① 平澤林太郎(上越市立春日小学校)
 KB(コンピュータソフト)を利用した『学び合い』の授業を体感しよう!

② 村山 尚士(上越市立春日小学校)
 「振り子」の学習理解に関する研究

③ 井上 浩 (埼玉県大里郡寄居町立折原小学校)
 ~俺の『学び合い道』奮闘記~あきらめない2007

第3回教室『学び合い』フォーラム2007感想

1.講演会、シンポジウムに関してのご感想、ご意見をお書きください。

 他人からの伝聞ではなく、御自身の生き方を話すことで、多くの人達の心を動かす中村さんがとても偉大な方に思えました。中村さんを呼んでいただいたフォーラムの実行委員の方に感謝いたします。「今、自分にできることをする」という中村sなんおは無しがずっと心に残っていて勇気を出してシンポジウムに参加しました。前向きな方々に出会えて、とても有意義な時間でした。ありがとうございました。

 パネルディスカッションで、「学び合う手段をどう評価するか」という題に直接的に提案してほしかった。「学び合う」ことを「集団」としてどう「評価」するか、その方法などを期待してた。

 との人事評価に興味が湧いたが、それに関して「評価するもの」「評価されるもの」の価値観の違いですまされてしまうのなら、このようなフォーラムを持つ必要もなく、「みんなそれぞれだ」ですまされてしまうのではないか。

 中村氏の講演は時間を忘れるほどおもしろかった。体験に裏打ちされた話はやはり強い。

 教員評価と『学び合い』の授業との関わりは難しいことだと思う。名古屋市でも思考的におこなっており、来年あたりから全市一斉におこなうことになりそうだ。東京都の評価(じゅぎょうのけるひょうか) の続きを来年も聞きたいと思っています。

 大変有意義で心に響く講演会でした。シンポジウムは漠然としていた『学び合い』について、語っていただくことで、大変勉強になりました。

 中村さんのお話を初めて聞きました。もっとお話を伺いたい。本を読みたい、と思うことができました。いいところを伸ばすための評価、であるべきだ。という思いを強くし、教員評価制度、管理職のリーダーシップって何? と大いに疑問を抱きました。校長と複数の教員でおこなう面談、申告カードの公表により、講師の『学び合い』を活性化するというのは、点滴を入れた水槽の魚と同じ高度の緊張感があるということで、人はつながろうとするし、伸びようとするということだと思いました。ぜひ、実践する学校ができることを楽しみにしています。

 自分にスイッチを入れられるのは自分しかないということ、学ぼうとする遺志が自分の中から湧いてこないうちは、学ばせようとすることは無理。中村さんの話はそのことを端的に語っている。子どもたち自身のエネルギーが出る(スイッチが入る) 環境をどう作るのかが重要という点に確信が持て、今後の取り組む(?)やることの方向性が見えた。「何のため」、大切ですね。

 『学び合い』や中村さんの理念と、東京都の人事考課制は全く相反することがはっきり分かる。

 とても勉強になりました。涙あり、笑いあり、まだ話を聞きたいと思いました。

 中村さんの話が最高でした「何のために」を大切にしていきます。

 教育とは違う分野の方から様々なお話を伺うことができ、とても参考になった。教師の前に人間として力をつけていきたいと考えた。

 中村文昭さんのお話を聞けたのはすごくよかった。そのパワーとか、考え方とか情熱は教育の世界にもすごく通じる部分があってとても参考になった。最後に「教職は聖職です。」と励ましていただいたこともとてもこれからの力になりそうで嬉しかったです。著書もぜひ読んでみたいと思いました。

 中村さんの話の中に子どもが学びに向かうためのヒントがたくさんありました。教師の仕事は子どもたちがスイッチを入れるために「種を蒔く」ことだと改めて思いました。まず私自身が「何のために」ということを考えることから始めたいと思います。また、この公演で『学び合い』は方法論ではないということを再確認しました。

 クロフネカンパニーの社長さん、会社に行くのは月1回というのは驚きました。でもそれだけ社員の方を信頼しているんだなぁと思いました。

 講演会は中身が濃く『学び合い』につながるないようだったと思う。子どもたちを信じるということ、学ぶやる気にさせる環境を作ることの重要さを学んだ。大変パワフルな講師だったと思う。クロフネカンパニーの従業員達の『学び合い』の様子を聞きたかった。

 とてもおもしろい話、元気の出る話を聞かせていただいてよかったです。中村さんの話ならば14時間でも聞いていたいと思ってしまうほど魅力的な講演会でした。

 とにかく「来てよかった」と思います。魂の炎が燃えている自分がいることに感謝します。個人的にいわせてもらえばシンポジウムで西川先生に言われたひとことが嬉しくありがたく思います。「大学院で勉強するぐらいのことは3泊4日で学べますから。」洗脳旅行行きたいです。blogももっと覗きます。

2.公開ゼミに関してのご感想、ご意見をお書きください。

○中村文昭さん

 「やってて楽しいことをやる」=「頼まれごとは試されごと」になっている中村さんの生き方に感動しました。「やってて楽しいこと」とは「人とつながる」ことではないのかとも思われました。

 子育てについて聞けて、ためになりました。特に奥さんとの子育てについての話し合いはためになりました。

 いつも一貫して言っていることは「熱い思い」=「人のためになる、ためにやっていこうよ」です。人も一般名詞ではなく「ニート」だったり、「重度の障害者」だったり、「カンボジアの村の人たち」だったり。具体的であること問うことの大切さを実感しました。

○西川純先生

 今まで疑問に思っていたことが質問することで解決することができて、大変よかった。本を読んだだけでは分からなかったことが、かなり明確になってきた。評価については、現在の評価はとても分かりづらくなっています。もっと単純にする必要があることに賛成です。子どもも保護者も教師も納得できる評価にすべきだと思います。

 一つ一つ参加者の質問に具体的に応えていただき分かりやすかったです。

Q.この会に参加しようか大変迷っていましたが、参加して本当によかったと思いました。ありがとうございました。感じのことですが、多くの先生は感じを身につけさせたいために繰り返し漢字ドリルを使い黒板に色チョークを使って丁寧に書き順を説明しているのがほとんどだと思います。(事実私もそうです) では、具体的にどのようにすれば漢字は身につくのでしょうか?単にこの時間に副教材を使ってもいいですから、5個覚えなさいという指示だけでいいのでしょうか。お互いに書き方を見合うことも必要ではないかと思うのですが……。

A.多くの教師や、多くの教育研究者は「最も良い学習方法(指導方法)は何か?」を考えます。
10人の子どもがいれば10通りの学び方があると思います。
いや、一人の子どもですら、その日、その時の学び方があります。
従って無限の学び方があると思います。
だから、その子のその時の学び方が何かということに興味はありません。
我々は「その子のその時間の、最も良い学習方法(指導方法)は何か?」ではなく、
「その子のその時間の、最も良い学習方法(指導方法)を考えられるのは誰か?」と考えます。
答えは、「その子」であり、「その子を含んだ学習者集団である」です。
だから、「最も良い学習方法(指導方法)は何か?」ではなく、
その子、学習者集団がどうやったら一人一人、その時の最善の学習方法を求めるかを考えます。


Q. 数値目標だけでは疲れてしまわないのか? やる気が出ないのでは?生徒に「先生は点数を上ろばかりいってちっとも私達が頑張っていることを評価してくれない」と言われた「点をあげることばかりでは楽しくない」とも、(教員も数値目標だけではおもしろくない、疲れる)こういう生徒に対して西川先生ならどう答えますか。

高校球児に「甲子園に行くこと、そのために地区大会で勝つことを目標にしては疲れてしまわないか?」と聞いたら、どう応えるでしょうか?

目標で大事なのは、その目標を学習者が理解できることです。
それは学習者が自ら評価できるものでなければなりません。
例えば、「深い読み」とか「美しい音」など、分かったようで実は分からない目標は、上記を満たしていません。
そして、その目標は学習者集団が共通で目標と出来ることです。
私は「テストの点数」や「進学成績」がベストであり、常に目標にすべき、とは思っていません。
それ以上に学習者が理解し、自ら評価し、多くの学習者が目標とすべきものがあるならどうぞ。

現状のテストの点数、そして進学成績は、低レベルの暗記物が多くを占めている現状を理解しています。
しかし、そんなくだらないものを学ぶ過程ですら、人との関わりの中で学ぶならば、豊かな学びになることを知っています。
私は目標にひねりを入れるより、目標を達成する過程で、どれだけ多くの時間、より多様な人との関わりを実現するかに知恵を尽くすべきだと考えています。

○牧野高智先生

 授業を教科書通りに進める(教師サイド) と『学び合い』で学習課題を解決しよう(子どもサイド)では視点が違っていたのではないか。

Q. 国語の授業を『学び合い』の形でおこなったところ、活動せずに(電子辞書や国語辞典を使って個人でおこなっているため)いたグループがあって、理由を聞くと「時間がかかるから」という答えが返ってきたといわれていました。授業前にどのような話を子どもたちにすればよいと思われますか?

A. まず、そのときの状況の確認から始めます。古典(古文)のある教材(教科書1ページ分程度)をグループで現代語訳をしてみようということで、本時のねらいや目標を丁寧に話し、その後で始めました。なお、1グループは2~4人程度にする指示を出しています。多くのグループは楽しそうにやっていましたが、全員が下を向いて書いているグループが一つありました。そのグループが、電子辞書や古語辞典(の中の、教材の全訳が書かれている部分)を使って、それを回して写していたわけですが、そのグループの一人から授業時間後に言われたことは、「こんなことをやっていると進まないよ」という言葉でした。

このことは結局、「みんなで辞典で調べて、文脈に合う現代語訳は何かを話し合って、一つのゴールにたどりつくこと」は、このグループにとっては「非効率的なこと」と判断されてしまったのではないかと思います。私は学び合い活動を始める前に、とても丁寧にそのねらいと本時の目標を話したつもりでした。

それなのにこのようなグループがあったということについては、以下の事項に原因があったと考えています。(順不同)

 1)今までの授業において、学び合いの場面があっても、それが“学び合い”であるとは認識されていなかった。

 2)そもそも、“学び合い”とは何なのかということについて、肝心の私が授業展開のひとつの「方法」だとずっと思っていた。

 3)推測だが、生徒は教師が教材のポイント部分を教えてくれればそれでよいのであって、結論が分かれば(どこが大切で何を覚えればよいのかだけ言ってくれれば)それでよいと思っていた、という可能性もある。

 4)パネルディスカッションの後の公開ゼミで指摘されたことも含めて考えてみると、私の本時における本当のねらいというのは、実は各自が自分の力できちんと辞書がひける(御存知のとおり、古語辞典を引くには、文法的知識が必要です)ことだったのであり、その点を私自身がよく考えずに学び合い活動をさせようとした。

というような状況または背景があります。

 その点を踏まえながら、改めてお問い合わせの内容に戻りますと、「授業前にどのような話を子どもたちにすればよいと思われますか?」という御質問に対して私が言えるのは、以下の6点です。(いくつかは重なるかと思いますが…)

 1)「授業前に」というよりは、「年度当初から」“学び合い”の大切さについてきちんと生徒に伝えている必要があった。

 2)その際、クラス全体が賢くならなければならない、という学級経営的視点からも生徒にアプローチする必要があった。

 3)上記1)や2)を踏まえつつ、本時はまず各自がきちんと辞書が引けること、引けない場合はグループ内で解決すること、という点についての確認をする必要があった。

 4)上記1)~3)を踏まえた上で、本時についてはグループ内で協力しあって、ひとつの現代語訳を完成させなさい、と生徒に伝える必要があった。

 5)現代語訳を完成させた後どうするのかについて、全く指示していなかったので、ゴールを明らかにしておく必要があった。

 6)この活動が今後にどのようにつながるのか、この活動が何の力をつけることになるのかの説明をする必要があった。

以上です。

○原口 淳一(熊本大学教育学部附属小学校)
  『みんなで伸びる授業』をデザインする-3年「植物をそだてよう」-

 指導案通りに授業を流すことにとらわれていると、つい見逃したり、聞き逃したりしてしまう子どもの表情やつぶやきを、丁寧に見取り、ありのままの子どもの姿に寄り添っていこうと努力されている原口先生に心を動かされました。


○村山 尚士(上越市立春日小学校)
 「振り子」の学習理解に関する研究

 個人実験だけでもグループ実験だけでも不十分なことが分かりました。

 

○栗田 裕子(新潟市立江南小学校)
『学び合い』を広げるために必要なこと、感覚を基に話し合いましょう! 

 今まで私が考えていた『学び合い』(様々な考えを述べ合い質的に深まりのあるものにしていく) とは違うのではないかと思う。教師の枠の中ではなく、もっと子ども同士の関わりを重視した『学び合い』ではないのだろうか。どうしても教師は我慢できず子どもに教えてしまう。もっと子どもを信じることが大切だと感じた。


○大平 正芳(埼玉県横瀬町立横瀬小学校)
 複数教科における『学び合い』の授業に関する研究

 単元の学習の計画を子どもが立て、決められた時間の中で実験をやるとき、大変驚きました。先の見通しを持って学習することはとても大切なことだと思いました。

 授業の様子、担任の講堂など、見ることができてよかったです。

Q.学習カードの作成にあたり、子どもたちは指導書や学習指導要領を参考にして自分の力で項目を埋めていったのでしょうか。また、書く時間の評価項目は本時の目標に照らして適切なものを書いていたのでしょうか。書けなかった子供はいなかったのでしょうか。また、その他への対応の仕方があれば教えてください。

A.子どもたちは自分たちの力で記入していました。教師は、導入時に学習カードについての説明を15分程度しました。また、ごく初期に、学習内容のわかるねらいが書けているか、またそれに対応した評価と評価の理由が書けているかを、机間指導で確認しました。

さらに、全員分の記入内容を印刷して配布しました(3回)。その際、ねらい、評価基準、評価の理由の書き方について、こういう書き方がいいというような話をしました。それ以降は、1時間ごとに提出させチェックはしましたが、そのうちに単元終了後に提出というように、それほどチェックや指導はしていません。

その結果、よいレベルで書けているものもありますが、そうでないものもありました。しかしそれほど厳密に指導はしていませんでした。その点について、担任教師の考えがブログに掲載されています。どういう考えで指導していたのかがよくわかると思いますので引用します。

<ブログより>

学習計画や評価はしっかり書けた方がいい。でも、「このレベルで書いてね」と指示すれば、書くことが目標になってしまう。分かっていても分かっていなくても、それこそ、「ただ写す」という状態になってしまう。「みんながわかってね」という目標の設定だから、分かり方はひとりひとり違う。だから「書いてあることは大切だけど、書けばいいというものではない」と途中で気がついた。

それなりに書けていればいいと考えるようになった。「書くこと」をあまりにも指導すると、目標が違う方向に行ってしまうのではないかとも思う。書いてあった方がいいけど、問題は「わかる」ということだと方向を見定めた方がいい。ただ、しっかり書いてある学習計画を見ると、私は安心する。「よくやっているなあ」と思う。特に丁寧な字で、まとめてあると「よし」と思ってしまう。学習の方法を子どもたちに広げることは、教師の役目だけど、目的を間違えないようにしたい。自戒をこめて、考えたい。

○福留 明子(東京都多摩市立大松台小学校 小学校)
 小学校一年生の教科学習における児童の相互作用について-『学び合い』における個に応じたかかわりについて-

 小学校1年生での『学び合い』は成立するのかという話題が当校でもありました。ちゃんと成立するという実証を見ることができました。ありがとうございました。

○小林 秀樹(新潟県三条市立第一中学校)
学び合いを取り入れた清掃指導-10分間の清掃活動が生徒を変え、学校を変えるかも-

 中学校での実践を見ることができ、とても参考になりました。自分も同じような手法を様々な場面で探っていきたいと思いました。

江川  潤(新潟市立五十嵐小学校)
 そのとき教師が空気になる」異学年交流における「学び合い」について  ~縦割り班での集会活動~

 リーダー育成と評価によって、子どもの自主的な活動がおこなわれ、『学び合い』が進むという発表であったが、むしろ1人の教師の取り組みで全校生徒の動きが変わり、『学び合い』が商事、他の教師への『学び合い』の機会を作る、学校を変える可能性を示した発表であったと思う。25学級の規模の学校で、1~6年の異学年交流のグループ活動があんなにうまく展開され、子どもが生き生き活動している様子が大変感動的でした。成果を示して、教師の意識を変える。これからが楽しみな発表でした。

鈴木美奈子(新潟県立国際情報高等学校)
 生徒の動きと思考を考える~古文の学び合い授業を通じて~

 高校でも『学び合い』に興味を持って取り組んでいる先生がいて、とても感動しました。古文のテスト作成がうまくいった原因が分かるとおもしろいと思いました。

赤坂 真二(新潟市立曽野木小学校)
 子どものやる気を高める学級づくりプログラム-アドラー心理学に基づくクラス会議実践記-

 とてもわかりやすい話で参考になることが多かった。自分がやってきたこと、やっていることが赤坂先生の話の中で効果的な例として挙げられていることの中に入っていて嬉しかった。難しい専門の話でなく、普段の様子をこのように話していただき、その中でポイントを押さえてもらうととても聞きやすい。

 赤坂先生の話はおもしろく、あっという間の1時間でした。

授業づくりゼミ
 前、水落先生に「先生は教えないよ……」の方法を教えていただいて実践したのに、また、以前の自分に戻っていることに気づきました。またやってみます。
 目当てを明確にして、それに迫るための発問を課がえている自分がいましたが(いつも)それを子どもたちと作っていくというところに目から鱗が落ちました。いい刺激をいただきました。ありがとうございました。

水落 芳明(新潟市立東中野山小学校)
 同期型CSCL“Kneading Board”を使った模擬授業 ― 好きな季節は? -

 久保田先生の「これで教育を変えてやろうなんては思っていません。」のひとことに奥深さを感じました。『学び合い』を実体験して感覚がつかめました。