学び合いフォーラム2012in 大阪 開催概要
日時:2012年8月4日(土)〜5日(日)
場所:大阪大学中之島センター
参加者数:86名
主催:「子供に学ぶ教師の会」(代表:西川純 上越教育大学教授)
大会委員長:杉山 史哲(株式会社フリード)
特徴:全行程を参加者参画型のオープンスペーステクノロジーを参考にした対話の場としてデザインされた。また、過去の会と比較し、教員以外の職業の方の参加の比率が増えた。
ブログ:http://manabiai2012.blogspot.jp/
第8回学び合いフォーラムの趣旨と目的
1.次の時代の「教育」や「学び」について考える”未来志向”な場
2.参加者同士の対話”による学びや気づきを大切にする場
3.その場で出会った人同士が、その場限りではなく”継続的な関係性”を作ることができる場
毎日の仕事や生活に繋がる”学び”とは、どういった場で作られるでしょうか。
例えば著名な講師による講演会などの場で、「いい話が聴けてよかった!」「明日から頑張ろう!」と感じられることがあるでしょう。それはとても価値のあることですが、「毎日の仕事や生活に繋がるかどうか」と言えば、どうでしょうか。聴いた話をすぐに実践したり、学んだことによって日常の行動を変えることはなかなか難しいな、と感じられたことはありませんか?
今回のフォーラムは、講演やワークショップといった形式ではなく、主に参加者の皆さんの対話によって、学びや気づきを得ていただこうという企画です。皆さんが日々学んでこられたこと、毎日のお仕事の中で考えていらっしゃること、これまで積み重ねてこられたご経験などをぜひ積極的にシェアしていただきたいと考えています。(※具体的な方法については、こちらのページの「学び合いフォーラムの方法」をご覧ください)
また、普段は講師として講演されるような方も今回は参加者としてご参加いただく予定です。年齢・性別・所属・立場などを超えて、参加者全員が自由にフランクに話ができることも、本フォーラムの魅力の1つです。
場が熟成し、建設的な対話や議論をするのに十分な環境が整った頃には、そこで行われる対話の性質は自然と「共有」から「創造」へと移り変わっていきます。本フォーラムのテーマでもある『次の時代の「教育」と「学び」』について話し合う時間です。この「共有」と「創造」の対話のプロセスによって、皆さんの毎日の仕事や生活に繋がる学びを一緒に創っていく場にしていくことが、本フォーラムの狙いです。
ーちょっと離れた人(知り合いの知り合い!?)との繋がりから得られるものー
また、今回のフォーラムでは、集まっていただいた方々の貴重な出会いをその場限りのものにするのではなく、継続的な繋がりへと発展していくような場にしていきたいと考えています。
社会学者のマーク・グラノヴェッターは "The strength of weak ties" (弱い紐帯の強み)という論文の中で、”価値ある情報の伝達においては、家族、親友、同じ職場の同僚のような強いつながり(強い紐帯)よりも、ちょっとした知り合いや友人の友人といった弱いつながり(弱い紐帯)の方が重要である”と言っています。
親密である人とは同じ情報を共有することが多いのに対し、普段は会わないような別の場所にいる人は自分の知らない価値の高い情報をもたらしてくれる可能性が高い、ということです。
昨今、メール、ブログ、あるいはfacebookやtwitterなどのソーシャルネットワークサービスによって、この”弱い紐帯”を維持することが比較的容易になってきました。日々の仕事の中で行き詰まった時に、今回のフォーラムで出会ったある人が発信したある情報によって解決の糸口が見えたり、あるいはインターネット上のやり取りによって同じ悩みを分かち合える、といったこともあるかもしれません。
このフォーラムが、是非その出会いのきっかになれればと考えています。日々、学び合える仲間と出会っていただくことも、本フォーラムの大きな狙いの1つです。
プログラム
【1日目】
13:30 受付開始
14:00 オープニング
14:15 トークテーマを出し整理して時間割を作る時間(45分)
15:00 セッション1(60分)
16:00 セッション2(60分)
17:30 2回のセッションを受けてテーマを追加・修正する時間(30分)
18:00 セッション3(60分)
19:00 セッション4(60分)
20:30 1日目終了 (自由参加の懇親会)
【2日目】
9:00 前日のセッションを踏まえてセッション5のトークテーマを出す時間(15分)
9:15 セッション5(60分)
10:15 アクションプラン作成セッション(60分)
11:15 学び・気づきのシェアセッション(45分)
12:00 終了
12:30 撤収
事務局スタッフは、このフォーラムに参加するすべての方に充実した時間を過ごしていただいと考えており、そのための環境整備に努めます。
参加していただく皆さんには、是非、オープンな姿勢で積極的に対話の場に臨んでいただき、また、その場にいるすべての方が安心して話し合うことができるような配慮や協力をお願い致します。司会やファシリテーターの進行に委ねるのではなく、皆さん一人ひとりが主体的な参加者となって創りあげていけるような場にしていただければと思います。
ー事前準備ー
このフォーラムに参加されるすべての方に学びと気づきを得ていただくために、参加者の皆さんから出される課題を取り上げていきたいと考えております。
そこで皆さんには、「話し合いたいこと」「学びたいこと」「聞いてみたいこと」「教えてもらいたいこと」「発信してその反応を得たいこと」などについて事前に考えてきていただきます。事前に準備していただくテーマ以外にも、当日参加された他の方々の顔ぶれを見て話し合いたいテーマが出てきたら追加していただいても構いません。
ーオープニングー
オープニングでは、参加者全員が大きな円になって座ります。主催者からの挨拶に続き、進行役から、本日のフォーラムの目的の確認、全体スケジュール、この場を進めていく上での基本的な考え方、参加に当たってのルールなどについて説明します(事前にメールでお知らせもします)。
ー話し合うテーマの提案ー
続いて、進行役は、このフォーラムで話し合いたいテーマを参加者から提案していただくことを求めます。円の中央には紙とペンが置いてあるので、それを使ってテーマと自分の名前を書き、声を出して読み上げてください。そして、壁に貼ってある白紙のスケジュール表にある色画用紙を一枚取って、自分のテーマを書いた紙に貼り、それを壁に貼り出してください。
ー参加する場の選択ー
テーマが出揃うと、進行役は、参加者が壁に移動して自分が参加したいテーマに名前を書いて参加の意志を表すよう促します。その際、参加したいセッションが二つ以上同じ時間に設定されていると困ります。また、似たようなテーマがあるかも知れません。あるテーマは、別のテーマの話し合いが終わってからやった方がよいかも知れません。そうした問題があった場合は、参加者同士で調整をして自主的に全体スケジュールを完成させてください。この段階になると、会議の進行は参加者の手に委ねられるので、進行役はお役御免、となります。
ー分科会(セッション)ー
各テーマごとの分科会が開かれます。分科会は1日目に3回あります。1回あたり60分に設定されていますが、参加者が必要と認めれば延長しても差し支えありません。
もし自分が参加した分科会が、当初考えていたものと違うと感じたら、別の分科会に行っても全くかまいません。どの分科会も自分に不適だと判断すれば、どこにも参加しなくてもOKです。すべてが参加者の自主的な判断にまかされているわけです。
ーアクションプラン作成ー
2日間にわたって行われた話し合いの結果を踏まえて、今後取り組みたいプロジェクトがある人は、それを発表・提案する機会が与えられます。ここで得た学びや気づきを日常へと落とし込むために、是非具体的な”アクション”について考え、それを発表してみてください。
ー振り返りー
1日目に本フォーラムが始まった時と同じように円を作って座り、参加者一人ひとりが感想を述べ合って会を終了とします。
※なお、この形式は、”オープンスペーステクノロジー”という手法を参考にしています。
参考サイト:
http://www.infohrt.com/index.html
http://www.humanvalue.co.jp/report/positiveapproach/03.html